イタリアンレストランで行われた、お寺の住職さんとのお食事会に、娘と参加した時の話です。お食事しながら、法話がうかがえる貴重な体験でした。
お布施が命だとしたら、信用が命綱
仏教の中には、肉は食べてもいいけど、酒はダメというルールがあります。(国や宗派によっても違いますね)
娘には、きっと、殺生をする肉食の方が、酒を飲むよりも『ひどいこと』と思えたのでしょう。住職さんにその理由を聞いていました。
住職さんは、すごく詳しく丁寧に、しかも、わかりやすく説明してくれました。
酒で失敗したことのあるわたしは、説明を聞かなくても、酒の怖さは知っています。笑 お酒を飲んだことのない娘ならではの質問ですね。
お坊さんのルールで、「お酒飲んじゃダメ」という理由の前に、まず、なぜ厳しいルールがあるのかという話しから。
お坊さんには、お布施のみで生きていくという修行があるそうです。
お布施する人は、お布施することで徳を積むことができ、お布施してもらうお坊さんにとっては、お布施してもらえるような良い人であり続ける修行なんですって。
お坊さんの誰かが悪いことをすると、お坊さんみんなが悪く見られてしまいます。お坊さん全体の信用が落ちてしまうのです。信用がなくなったら、お布施してもらえなくなってしまいます。それは、「食べれない」とこに直結します。
一部のタチの悪いお坊さんのおかげで、お坊さん全体の利益を損なわれてしまいます。そんなことが起こらない様に、お坊さんには、厳しいルールがあるのだそうです。
お坊さんの全体の利益を守るためにあるルール。なぜ、殺生である肉食がOKで、飲酒がNGなのかは、お酒を飲んだことがあればわかりますね。
肉食べても、乱痴気騒ぎをしないけど、酒を飲んで、酔っ払うと犯罪を犯すリスクが高くなるからです。誰かが、酔って悪いことをすると、他のお坊さんの信用も落ちて、お布施してもらえなくなるのです。
そんなわけで、飲酒が禁止されているのですって。
仏教には、良いも悪いもない。刺青があるからって悪いわけではないが、、、
お坊さんになるにも、条件があります。それも、全体の信用を守るためです。
例えば、家族の同意のもと出家しているか?とか、犯罪は犯していないか?とか、刺青はないか?などです。
刺青は禁止なのね。
公衆浴場やプールなどでの刺青問題がありました。刺青禁止、気になります。
良いも悪いもないとは、善悪不二とか善悪一如のことを言っているのか分かりませんが、刺青していること自体に良いも悪いもないのですって。刺青してあっても、何も悪いことではない。
ただ、、
日本では、刺青は犯罪と深い関わりがあります。江戸時代には、犯罪を犯した人に刺青を入れる刑がありました。男気を見せるための刺青は彫物と呼ばれましたが、ヤクザが彫物をする様になって、怖いイメージが定着しました。
刺青に良いも悪いもないが、怖いイメージが定着している。刺青しているお坊さんがいると、お坊さんの全体の信用が落ちる。お布施がもらえなくなる。
それを避けるために、刺青は禁止なのです。
公衆浴場・プールでの刺青禁止は差別なのか?
ファッションタトゥー(刺青)自体、良いも悪くもなく、やるやらないは個人の自由です。それによって行動を制限させられたら、差別に当たると思います。
ところが、お坊さんのルールでも話した様に、刺青に怖いという感情を抱く人が少なからずいるという事実があります。
海外から来た人で、大きな身体に怖い刺青がしてあって、分からない言葉を喋って、何考えてるか分からなくって、何やるか分からなさそうだと、怖くて近寄れないし、東山の金さんみたいな刺青があっても怖くて近付けません。
それこそ、集団の利益(皆の安心・お店の利益)を守るために、個人の利益(刺青)を排除したくなる気持ちもわからないではありません。
公衆浴場・プールなどが「来て欲しくない」と思っている人は、問題行動を起こす人/起こしそうに見える人です。刺青は、その該当者になりうる条件の一つでしかありません。
問題行動を起こす人に来てもらいたくないのは、遊園地も動物園も美術館もレストランだってみんな一緒のことです。刺青が見えないので、刺青している→問題行動起こしそう→入場制限ということにはなりませんよね。問題があった時に対応するのが普通です。それは、問題を起こした人が刺青していようとしていまいと一緒のことです。
刺青を見て怖いと思うのは、思う人の問題です。不快に思う人がいるからという理由で、少数派を切り捨てるのは、やはり差別だと思います。刺青の人が居ても、安心できる環境を作るのが、社会全体の共通の利益につながると思います。
もし、共感できるところがあったら、ぜひコメントでお知らせくださいね。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます🙏